結婚式をしたくないアラサー夫婦が少人数食事会をするまでの記録

結婚式をしたくないアラサー夫婦が少人数食事会をするまでの記録です。

ラボ・パーティについて。

先日、久しぶりに会った友人(子持ち)から、「みどりちゃんはラボに通ってたと思うけど、今自分の子供を英語教室に通わせようか迷っている。ラボってどうなの?」という質問を受けました。

友人自身はラボをやっていた経験はなく、ネットで情報を集めようと思ってもどんな感じがイマイチわからない…とのこと。

私は複数の教室(パーティと呼ばれる)を移籍しつつ小3~短大卒業まで在籍していました。また、自分の母が数年テューター(先生のこと)をしていました。

確かにネット上にあまりラボについての中立的な意見というのがないなと感じましたので、自分の経験から、「ラボに興味があるけど、入会を迷っている」とか、「子供を通わせる英語教室について調べている」というような方向けに、少しラボについて書かせて頂きます。

(ラボパーティの概要については、Wikiや公式HPを見て頂ければよいと思うので、個人的に思うメリット・デメリットを中心に)

 

★まず第一に…私自身はラボで素晴らしい経験をしたと思っていますが、誰にでもおすすめできるかと言われるとそうではないかなと…。ご家庭の方針、お子様の性格、習い事に何を求めるか?などによって、合う合わないがハッキリあると思います。

例えば水泳やピアノのように「通いさえすればある程度の結果(英語力)がついてくる」という性質の習い事ではありません。自宅でのCDの聞き込みは必須ですし、発表会前には保護者も二人三脚で物語のセリフを覚えるということもあります。

ただ「英語のやる気を引き出すためのスイッチ」は成長過程に合わせて豊富に用意されているので(教材しかり、プログラムしかり)きっかけがあればラボにのめりこんでぐんぐん英語力がつくという可能性もあります。

また、縦長交流や、ラボっ子同士での話し合い・協調する活動が軸になっている教室なので、英語以外にも「コミュニケーション能力を鍛える」という意味では良い経験が出来る場所だと思います。

 

★私の考えるメリット

1:教材が良質。

いわゆる「教科書」ではなく「物語+CD」という体で、確かに高額ですが、一度購入すれば大学まで繰り返し使います。1セットに英語の物語のCD(4枚)と絵本という内容です。テューターによりますが入会してしばらくは年に2~3冊の購入を勧められると思います。すべて「英語+日本語」の吹き替えCDです。(ごく一部中国語など他言語有り)これを家で繰り返し聞くことが求められます。我が家は、朝の登校前の仕度時や、車の中などでかけていました。

「ぐるんぱの幼稚園」「ぐりとぐら」のような誰もが知っている絵本から「ドリトル先生」「西遊記」などの世界の名作、日本書紀ギリシャ神話、シェイクスピアなどの古典まで扱っており、「物語」を知るきっかけとしても素晴らしいと思います。ABCの歌やキャラ物を使ったような安っぽいものではないです。物語を体験することで様々な価値観に触れることが出来るのもラボの醍醐味の一つです。


2:縦長の年齢層での交流が出来る。
これはラボの大きな特徴で、時には幼稚園児~大学生までが一緒にテーマ活動を作ることもあります。

高大生がいないパーティに所属していても、夏休み・冬休みのキャンプや、他パーティとの交流活動の中で、シニアメイト(高校生以上で、ラボ歴が一定以上あり、事務局でのリーダー研修を受けているラボっ子をこう呼ぶ)がリーダーシップを取っている様子を見て、その姿にあこがれてラボを続けるという子は多いです。ラボをやっている高大生は、自分自身も小さい頃年長のラボっ子に面倒を見てもらった経験が誰でもあるので、基本的に子供の扱いがうまく、優しい子が多いです。

 

3:コミュニケーション能力がつく。
ラボ活動のメインは「テーマ活動」(グループで協力して英語劇を作り上げる)というものになるのですが、そこでもグループ内でのコミュニケーションやディベートがかなり必要になってくるので(先生に言いなりに演じて発表するわけではなく、自分たちで動きを考え、セリフを分担して作り上げるという性質のものなので)、自然と自分の意見を言えるようになったり、友人と協力したり、ということが出来るようになります。こういう活動をコツコツ続けていると、高校生くらいになると、グループで自然に、周りと協調しつつリーダーシップが取れる子に育っていきます。

 

4:行事が豊富で一遍的なお稽古ではない。英語を楽しむ仕掛けが揃っている。
普段は週に一度のパーティ活動がメインですが、「地域単位でのテーマ活動の発表会」「素がたり大会(ラボのCDを丸々覚えて語る)」「全国のラボっ子が集まって野外活動やテーマ活動を楽しむキャンプ」「北米、オーストラリアなどへのホームステイ」「留学生受け入れ」「留学プログラム」「海外からのユースを招いての交流活動」など、パーティ外での行事も多く、楽しみ方が豊富です。(ただ、これを負担と捉える保護者もいらっしゃると思います。)


★デメリット

1:パーティのテューターの方針や人間性にものすごく左右される。
テューターは事務局による研修(半年以上)を受けているとはいえ、よくも悪くも「普通の主婦」です。ママ友同士や学校の先生でも相性の良い・悪いがあるように、テューターも様々な方がいらっしゃいます。ネイティブ並みにペラペラ…という方ばかりではないですし、ものすごく強引だったり、ラボに盲目的な方がいらっしゃるのも否定しません。もちろん大多数が教育熱心で良心的な方ですが(かなりの薄給で、自分を犠牲にするボランティア精神がないと出来ない仕事なので)、それでも合う合わないはあります。

端的に申せば、私の周りのラボ経験者で、自分の子供もラボに入れている子達は、全員、「電車・車を使って通う距離であっても、数パーティを見学して、相性のよさそうなパーティを探して」入れています。それだけテューターやパーティ選びが重要だということです。

万が一、見学に行って強引に勧誘されたとか、退会を認めてくれないとか、テューターとトラブルがあれば、管轄している事務局に直接相談するとよいかと思います。何かしらの対応をして貰えるはずです。退会の相談の場合、理由次第ではパーティ移籍を勧められるケースはあるかもしれません。(私自身も、テューターと衝突→他パーティに移籍するときに事務局にお世話になりました。)

 

2:座学がないので、英語の成績に直結しない。
ノートを取ったり文法を学んだりということが基本的にないです。学校の成績や受験英語TOEICの点数アップが目的であれば他の教室をおすすめします。
ただヒアリングは、ある程度ラボのCDをしっかり小学生から聞きこんでいる子であれば、高校くらいまでは大丈夫です。耳が英語に慣れているので。(自宅でもしっかりCDを聞いていることが前提ですが)私自身も、TOEICのヒアリングパートはいつも9割くらいは取れます。

スピーキングは、高校生年代でラボの留学プログラム(任意)に参加するレベルの子はペラペラですが、ほとんど喋れないという子もザラにいます。ただ、喋れないなりに度胸はついていて、外国人と喋ること自体には抵抗がない、ボディランゲージやSmileなどでコミュニケーションは取れる、という子が多いです。
多くの中学生ラボっ子が参加するホームステイ(夏休みを利用した北米1か月ステイ)の事前準備研修でも、「英語力」というより、「コミュニケーション能力」を鍛えようとする傾向があります(スマイルやボディランゲージなどの重要性を説かれる)。ここは、英語教室としてどうなの?と、かなり意見が分かれるところだと思います。

 

3:保護者の協力がかなり求められる。
特に幼稚園~小学生の間は、保護者が意識して自宅でCDを掛けたり、発表会前のセリフの暗記に付き合わないとダメなので、通わせていればOKというわけには行きません。また、ハロウィンや合宿などのパーティのイベントで保護者の協力を求めてくるテューターもいます。

 

4:月謝以外にもお金がかかる。
月会費+教材代の他に、長期休暇のキャンプ参加費、発表会等で着用するラボTシャツなどの購入費、ホームステイに向けての積み立て(任意とは言え、ラボを続けていれば中1か中2で参加する子が多く、かなり強く勧められると思います)、またパーティによっては保護者会やテューターへのお中元・お歳暮の慣習がある場合も。小学生だったら年間20万円くらいは掛かってきます。

 

ここまで長々と書きましたが、最後に私自身がなぜラボを卒業まで続けたかというと、高校で移籍したパーティで仲の良い友達が増え、その子たちと一緒に活動をするのが楽しかったから、というのが一番です。(親は盲目的なラボ信者というわけではなく、続けるも辞めるもどちらでも…、というスタンスでした)

続けていて得た経験(ホームステイ、仲間と苦労して作ったテーマ活動、大学生ラボっ子が色々なパーティを回ってラボ活動を啓蒙する「キャラバン隊」と呼ばれる活動、時にはテューターとの大ゲンカ(笑)など…)はかけがえがないですし、今でも定期的にテューター宅にお邪魔したり、ラボの友人たちと交流したりしています。やはり、学校のお友達よりもさらに一段深いレベルでコミュニケーションをとっていたんだなと思います。

現在の自分の英語力は、TOEICは700点。仕事で時々海外のお客さまの対応をしますが、ヒアリングは自信があるのでそれほど困ることはない、といったところです。

まずは何よりも、信頼できるテューターとの巡り合わせが一番です。ご興味があれば最寄りのパーティに見学に行くなり、事務局に複数パーティを紹介してもらうなりしてみてはいかがでしょうか。